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タイトルはAIですが、個人的な日記なので、あまり気になさらないように。

頭蓋骨振動誘発眼振検査って知ってますか? - The Skull Vibration-induced Nystagmus Test(SVINT) -

 

 

どうも、6ヶ月に1回程度しか更新しないブログです。

いつもいつも、しょうもない記事ですみません。

 

頭蓋骨振動誘発眼振検査って知ってますか?

あまり聞かないですよね。頭蓋骨振動誘発眼振検査は Skull Vibration-induced Nystagmus Test (SVINT)で検索するとそれなりに論文がヒットします。2年ほど前にはシステマティックレビューも出ていますね!

 

とても簡単にまとめると、前庭の非対称など異常を検出する検査のようです。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

そういえば、何気に前庭やめまいに関しての記事を以前にも書いているので、よければご覧ください。

takuma-ai.hatenablog.com

 

この記事を書いた時(5-6年前)は勉強不足でした。

 

おそらく、このSVINTが非侵襲かつ簡単かつ最も信頼性の高い前庭検査だと思います。この検査は高い周波数帯の前庭動眼反射を検査するための検査です。

 

<方法>

・SVINTは座っている患者に対して行います。

・フレンツェルメガネ or ビデオ眼振計のもとで観察

・対象者は、目を大きく開いて瞬きをできるだけ少なくして頂きます。また正中線での視線を維持し、真っ直ぐ前を見続ける必要があります。

・振動刺激部位:乳様突起部(外耳の後ろ)

・振動(Hz): おおよそ 100 Hz

・振動刺激時間:10 sec

・振動の振幅の範囲は 0.02 ~ 0.2  mm、加速度の範囲は 10 ~ 20  m/s2 

・振幅(mm):0.02 ~ 0.2  mm

 

 おおよそ、50 Hzで加速度は、10.3 m/s2、60 Hzでは11.7 m/s2なので、厳密に100 Hzでなくとも大丈夫そうです。アメリカの研修で使用していたバイブレーション機器も90 Hzのものを使用しおりました。おそらくですが、最も一般的にリハビリ室にあるバイブは60 Hzなので十分可能かと思います。

 

 

 

ちなみに、ポータブル電マのこちら(下記)も最大 9000 Rpm(150 Hz位)なので、加速度が14.8 m/s2、振幅が最小 0.03 mmなので、速度を少し落とせば十分使用できそうですね。個人的にはポータブルなのでこちらの方が使いやすいかもです。

 

 

 

SVINTの陽性所見ですが、振動刺激による眼振( vibration-induced nystagmus:VIN )です。しかし、厳格に陽性とするのであれば、以下のような所見が必要なようです。

 

1. VINは振動刺激により開始、刺激を止めると停止し、二次的な反転を示さず、両方の乳様突起で一定で、同じ方向に拍動する。

(例えば、VINが右乳様突起で右方向に拍動し、左乳様突起で左方向に拍動することは有意ではない検査は陰性である)

 

2. slow-phase velocity (SPV) が 2.5°/s 以上である. 

 

3. 再現可能であり、2 つの連続したテストで同一または類似

 

2番はビデオ眼振計が必要なので臨床場面では現実的ではないですね。フレンツェル眼鏡を使用して、眼振を確認することが望ましいかと思います。

 

眼振の方向は基本的には、患側耳の検査で眼振は検測に起こります。

 

一部、異なる方向に眼振が起こる疾患がありますがsuperior canal dehiscence syndrome (SCD:上半規管裂隙症候群)のは、眼振は患側に起こるようですが、SCDは聴覚に異常がでたりするようですし、稀な疾患なので、そこまで考えすぎる必要はないかと思います。

 

SVINTのYoutube動画がありましたので載せておきます。

youtu.be

 

 

最後に、頭蓋骨振動誘発眼振検査(SVINT)は、高周波の前庭非対称性の優れたマーカーであり、観察された眼振は、耳石によるものよりも耳管からの方が関連性が高くなるようです。

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

https://takuma-ai.hatenablog.com/entry/2021/02/02/161819