リハビリ関連の人工知能で何ができるか
リハビリ関連の人工知能(AI)で何ができるか
人工知能を複数作ってみた経験から出来そうなことが分かってきました。
実現するにはリハビリ関連職種の皆さんの協力が必要になるでしょう!!
介護ロボなどはニュースになっていますが、まだニュースになっていないような内容を書きました。
【リハビリ×AI】
この分野は、ほとんど誰も足を踏み入れていない領域かと思います。
今回は理論上、将来的に何ができるかということを記載していきます。
脳疾患患者の脳画像から障害を予測する
一押しです!!!!!!!これは今の技術でも出来る事です!!!!
たとえば、脳梗塞や脳出血患者の脳のCTやMRIをディープラーニングさせることで、麻痺の程度や高次脳機能障害の種類を予測する事ができます。
これは一時点でも可能ですし、前向きでも可能です。
前向き研究の場合
急性期の脳のMRIを撮影する
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回復期リハビリ病院退院時の麻痺の程度を評価(FMAやBRs)
このようにすると、脳の画像から回復期リハビリ病院退院時の麻痺の程度を予測できます。FMAだと連続変数ですし、BRsだと分類器AIです。
手指、上肢、下肢のそれぞれで麻痺の程度を予測することが出来るようになります。
同様に、SLTAスコアの予測(失語の予測)、TMTスコアの予測も出来るようになります。
これはリハビリ業界において非常に大きな波がくるでしょう!!!!!!!
脳画像から歩けるようになるか否かを予測できる
これは上記に記載した分類器AIと同じです。
急性期の脳のMRIを撮影する
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1年後の歩行の程度を評価(FIMや歩行速度など)
これで1年後にどの程度の歩行能力があるのかを予測できます。
脊髄損傷のMRI画像から麻痺の程度を予測する
これも、脳疾患患者の障害予測と同様に、脊髄のMRIやCT画像から半年後やの麻痺の程1年後度(ASIA)や感覚障害の程度、膀胱直腸障害の改善の有無、歩行可能か?なども予測出来ます。
レントゲン写真から疼痛を予測する
画像所見と疼痛は関連しないという論文もありますが、これは人間がX線写真を見て人間ルールで画像所見を点数化しています。
これまで、人間ルールで作られたものは人工知能にするとうまく作動しないことが分かっています。人には分からない、細かな画像の違いや特徴をコンピューターが発見してくれる可能性があります。
経験豊富なセラピストの問診の流れを予測する
これも一押しです!!!
是非、一緒にしましょう!!!!
たとえば、臨床経験30年目のセラピストのある疾患患者の初診問診を記録する。
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言葉を統計解析、クラスタリング(SOMなどのAI)
こんな感じで可視化すると臨床経験のないセラピストでも経験豊富なセラピストの問診の流れやどのような内容を聞いているのかが分かるようになります。
学生の臨床実習にも活かせますよね。
さらに、問診内容がある程度きまっているようなら質問指標にしちゃえば治療時間の短縮化ができますよね!医療費削減になりそうです。
患者との会話のなかで予後を予測する
うつ傾向にある患者さんや、中枢感作が起きているであろう患者さんの発言には共通したものがあると思います。(とても私見です。すいません)
会話の中を録音しておいて「ある言葉」を一定の量、発言した患者はうつ傾向である!とか中枢感作が起きていて予後があまりよくない!と自動で判断してくれる。
人工知能も可能です。
わざわざ質問指標をしなくても自動で中枢感作が起きている可能性があります!
とAIが提案してくれることが出来ます。
(音声処理の精度は実用化までは至らないかもしれませんが、会話内容を可視化することで、中枢感作が起きている人の発言にはどのような関連があるか?というのは出来ます)
OA患者の歩行の動画で予後を予測する
これはちょっと遠い未来かもしれません。
人が歩容を数値化するのは非常に難しいです。しかし、PCで歩容の動画を学習させて、疼痛や変形の程度が悪化するか否かを分類するAIを将来的には作ることが可能になります。
現在は、動画を処理する精度が高くない+情報量が膨大などという理由で実現するのは,難しいと思います。
ほとんど画像のディープラーニングの話でした。すいません。
ですが是非、実現しましょう!!!!
リハビリ×人工知能に関する記事はまだまだ少ないのでシェアしてくださいな。
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。